うちのクリニックは人が辞め続けるのに、なぜあのクリニックは辞めないのか
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開業医の先生方とお話ししていると、非常によく出てくるご相談があります。
「採用してもすぐ辞めてしまう」「なぜかうちは人が定着しない」
「隣のクリニックは全然辞めていないのに」
同じエリア、同じような診療内容であっても
「人が辞めるクリニック」と「辞めないクリニック」は明確に分かれます。
これは偶然ではありません。 構造的な違いがあります。
今回は、その違いを現場視点で整理します。
目次
「人が辞めない=人が良い」ではない
まず前提として、多くの先生が誤解されているポイントがあります。
「人が辞めないクリニックは、良い人材が集まっている」 これは半分正しく、半分誤りです。
実際には、 「辞めない構造になっている」ことが大きいです。
逆に言えば、どれだけ良い人材を採用しても、 構造が悪ければ人は辞めていきます。
辞めるクリニックに共通する特徴 現場で見ていると、「人が辞め続けるクリニック」にはいくつかの共通点があります。
- ルールが曖昧で、人によって判断が変わる
- 院長の考えや方針がスタッフに伝わっていない
- 業務が属人化しており、負担が偏っている
- 評価基準が不明確で、不公平感がある
- 問題が起きてもその場対応で終わる こうした状態では、スタッフは安心して働くことができません。
不満というよりも、「不安」が積み重なり、離職につながります。

辞めないクリニックは何が違うのか
一方で、人が定着しているクリニックには共通する特徴があります。
- ルールが明確で、判断基準が統一されている
- 院長の方針や考えが言語化されている
- 業務が整理され、役割分担が明確
- 評価やフィードバックが一定の基準で行われる
- 問題が起きた際に再発防止まで設計される
つまり、「個人の頑張り」に依存していません。 「仕組み」で回っています。
一番の違いは「院長の関わり方」 最も大きな差が出るのは、院長の関わり方です。
人が辞めるクリニックでは
- 忙しくてスタッフに関わる時間が取れない
- 問題が起きた時だけ介入する
- 判断基準がその時々で変わる といった状態が見られます。
一方で、定着しているクリニックでは
- 日常的にコミュニケーションがある
- 方針や判断基準が一貫している
- 小さな違和感を早期に拾っている この差が、時間をかけて大きな差になります。
「採用」で解決しようとすると失敗する 人が辞めると、多くのクリニックは「採用」で解決しようとします。
しかし、構造が変わらないまま採用を続けても、 同じことが繰り返されるだけです。
重要なのは、「誰を入れるか」ではなく、 「辞めない状態をどう作るか」です。
結論:「人」ではなく「構造」の問題
人が辞めるかどうかは、 個人の問題ではなく、組織の構造の問題です。
- ルール
- 役割
- 評価
- コミュニケーション
これらが整理されているかどうかで、結果は大きく変わります。
最後に
「うちは人が定着しない」と感じた時、 多くの場合、問題は「人材」ではありません。「仕組み」と「関わり方」にあります。人を変える前に、構造を見直す。 この視点を持つだけで、組織は大きく変わります。
