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コロナあけなのに患者数が増えない理由

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コロナあけでも、来院患者数が伸びない理由に、コモディティ化からの脱却ができていない事があげられます。

そもそも、コモディティ化とは、品質や機能に大きな差がなく、市場での競争が低価格を中心とした価格競争になる状況を指します。企業が製品に付加価値を提供することで、コモディティ化からの脱却を図る必要があります。

消費者である患者さんにとって重要なのは、自社製品である「提供する医療サービス」の差別化と付加価値の提供です。価値を高める方法としては、製品の品質や機能の向上、顧客である患者さんのニーズに合った戦略的な開発があります。ブランド力の強化や顧客との継続的な関係構築も重要です。

コモディティ化を脱却するためには、競合他社である「近隣クリニック」と「同診療科のクリニック」との違いや差別化ポイントを明確にする必要があります。マーケティング戦略においては、他社との差別化を強調し、顧客に対して独自の価値を提供することが重要です。

また、コモディティ化に陥りやすい分野では、価格競争を避けるために新たな分野への参入や新たなマーケットニーズの開拓が必要です。また、製品やサービスの品質向上や顧客ニーズへの柔軟な対応も重要な要素となります。

クリニック経営においても、コモディティ化からの脱却は重要な課題です。競合他社との差別化やブランド力の向上、顧客ニーズへの応えが求められます。インターネットの普及や海外との競争も影響を与えるため、適切なマーケティング戦略や経営戦略の検討が必要です。

コモディティ化からの脱却には、業界分析や市場の動向把握、競合クリニックの分析が重要です。その上で、製品やサービスの品質や機能の向上、顧客ニーズに合わせたソリューションの提供が求められます。さらに、効果的なマーケティング手法や流通戦略の選択も重要です。以下に詳しく解説させて頂きます。みなさまのお役に立てれば幸いです。

ユニークな付加価値

クリニック独自のサービスが他院とは一線を画し、他に代替がないことを強調することが重要となります。現在提供しているサービスの棚卸しを行い、他院のサービスと比較をすることからはじまります。患者さんにとって他院では、受けることのできない特別な技術やサービスを「提供をする事が可能」、または「提供してくれそう」と予め感じてもらうことが必要です。

医療業界に精通した経験と、WEB集患の専門知識を持ち合わせているコンサル会社やマーケターに委託する事も可能です。クリニック経営における課題解決のノウハウを提供する事が可能です。クリニック独自の特別な技術やサービスを活かし、競合クリニックとの差別化を図りながら、経営戦略の立案や効率化の支援を行って頂けます。

弊社のコンサルタントによる事務長派遣サービスでも、クリニックの強みを最大限に活かすために、専門知識と経験を駆使して具体的な戦略を提案します。例えば、独自の技術やサービスを訴求するためのマーケティング戦略やブランド戦略の構築、効果的な経営プロセスの設計など、クリニックの成長と成功に向けて具体的な手法を提供する事も可能です。

品質と機能の向上による付加価値創造

クリニックにおいても、品質と機能の向上は付加価値の創出に重要な役割を果たします。以下に具体的な方法をいくつか紹介します

診療品質の向上

本質である、提供する医療の品質を徹底して向上させることです。最新の医療技術、治療法、薬を積極的に導入することで。患者さんのニーズの根源にある悩みに対して、解決することができます。効果的な診療や治療を提供することで、クリニックの評判と信頼性を向上させ、付加価値を生み出すことができます。

患者体験の向上

クリニックの機能を改善する一つの方法は、患者の体験を向上させることです。これは予約システムの改善、待ち時間の短縮、コミュニケーションの改善などを通じて可能です。

カスタムケアの提供

患者一人ひとりの状況とニーズに合わせたカスタマイズされたケアを提供することは、高い付加価値を生み出す重要な方法です。これは、患者の特定の症状、生活状況、好みなどを考慮に入れた診療や治療を提供することを含みます。

病態管理と予防ケア

長期的な病態管理プログラムを提供することや、予防的なケアと健康教育を提供することも、クリニックのサービスに付加価値を与えます。

これらの取り組みはすべて、クリニックがコモディティ化から逃れ、より高い価値を提供するための方法です。

価格競争の一辺倒からの脱却

クリニック経営において価格競争から脱却するためには、以下のような戦略を考えてみると良いでしょう

差別化の戦略

クリニックが提供するサービスにユニークな価値を付加することが重要です。これは、特別な診療手法、独自の専門性、特定の患者層への集中などを通じて達成できます。

患者体験の強化

予約の取りやすさ、短い待ち時間、清潔で快適な設備、フレンドリーで効率的なスタッフなど、患者の体験を向上させることは価格だけでなく他の要素でも競争する一方です。

ブランド構築

強いブランドは、患者が価格だけでなく他の要素でクリニックを選ぶのを助けます。これは、品質、信頼性、専門性などのブランドの属性を強調することで達成できます。

価格提供

クリニックが提供する医療サービスの全体的な価値を強調することも重要です。これは、質の高いケア、専門的な医療チーム、独自の治療法やアプローチなどを含むことができます。

カスタマイズ性をもたせる

医療の世界における、カスタマイズ制とは、患者さんのケア全体の質を向上させ、最高の医療体験を提供するための重要な要素です。特に現代のクリニックでは接遇品質の競争力は飛躍的に向上しており、患者さんからの期待値も高いです。一般的な品質やサービスだけではなく、各患者さんのニーズに合わせたカスタマイズされたサービスが求められます。このようなサービスにより、患者さんは偶発的ではなく、意図的にクリニックを選んで訪れるという行動データが多くとれております。

カスタマイズのキーとなるのは、患者さん一人ひとりのニーズと期待を理解し、それに対応することです。これは初めてクリニックを訪れる患者さんから長期的なケアを必要とする患者さんまで、全ての患者さんに当てはまります。そのためには、患者さんの健康状態、生活状況、価値観、希望、懸念などを十分に理解する必要があります。

この理解に基づいて、クリニック内でもチームで各患者さんのニーズに対応した診療、治療、接遇の対応をする必要があります。人的な対応の他、クリニック内の空間や時間を快適に過ごせるよう、待合室の環境改善や、待ち時間の短縮などの施策を行うことで、患者さんが受ける満足度に大きく影響いたします。

これら全てが組み合わさることで、クリニックは患者さんにとっての価値を高め、競争力のある医療市場で独自の地位を築くことができます。結果として、患者さんはわざわざそのクリニックを選んで訪れることになるでしょう。

消費者ニーズの変化と市場トレンドの把握

消費者ニーズの変化と市場トレンドの把握に大きく依存しています。これらを理解し適応することで、クリニックは競争力を維持し、成長することができます。

消費者ニーズの変化の把握:
患者のニーズや期待は、時間とともに変化します。例えば、デジタル技術の進歩により、患者がオンライン予約や電子カルテなどの便利なサービスを求めるようになった。また、患者はより個別化されたケア、透明性、予防ケアや健康教育への高まる関心などを求める傾向にあります。これらのニーズを理解し、適応することでクリニックは患者満足度を高めることができます。

市場トレンドの把握:
医療業界のトレンドを把握することも重要です。例えば、WEBやSNS活用した、予約や問診など、AIなどの新たなテクノロジーを積極的に導入して、ケアニーズの変化、患者のニーズを把握して、解決の為の医療サービスを用意することが挙げられます。これらの情報を把握するためには、定期的に患者調査、業界の動向ニュース、SNSでのトレンドキーワードを追うことで実現できます。また、既存の患者さんから直接フィードバックを得ることでニーズを理解するための重要な方法です。

優れたカスタマーサービス

顧客となる、かかりつけ患者さんを逃さない為に、患者さんとの強い信頼関係を築く必要があります。来院時の接遇においては、笑顔や丁寧な挨拶などの基本的なマナーを大切にし、患者さんが安心感を持てる雰囲気を作り出します。また、待ち時間の短縮やスムーズな受付手続きなどの工夫も重要です。

さらに、電話対応も患者さんファーストの意識を持ち、迅速かつ丁寧に対応します。患者さんの問い合わせや予約に対して、的確な情報提供や柔軟な対応を行うことで、信頼を深めます。
ホームページや予約システムも重要な要素です。患者さんが必要な情報を簡単に入手できるようにし、使いやすさや利便性を追求します。オンライン予約や診療情報の提供など、患者さんにとって便利な機能を提供することで、サービスの付加価値を高めます。

さらに、カスタムサービスの提供も重要なポイントです。患者さんの個別ニーズや要望に対応し、その人に合った最適な医療を提供します。治療計画の説明や進捗報告を丁寧に行い、患者さんとのコミュニケーションを密にします。

以上の取り組みにより、患者さんとの強い信頼関係を築くことができます。これにより、かかりつけ患者さんを逃さずに維持し、クリニックはコモディティ化からの脱却を果たすことができます。

自社の独自性を見出す戦略の立案

クリニックの独自性を見出す戦略には、競争が激化しコモディティ化が進む中で重要な課題です。まず、自社の強みや特徴を明確に把握し、他社との差別化ポイントを見出すことが必要です。それには、自院の持つ技術やノウハウ、ブランド力などを活用し、顧客である患者さんに対して、付加価値を提供する方法をクリニック内のメンバーで考えます。

また、競合クリニックや患者さんのニーズを的確に把握し、それに対応する医療やサービス提供をすることも重要となります。さらに、競合クリニックの動向や患者さんのトレンドを分析し、新たな分野や市場への進出も検討します。戦略の立案には、経営陣だけでなくスタッフの意見やアイデアを活用し、多角的な視点からの議論が重要です。

最終的な戦略は、クリニックのビジョン、理念、目標と合致させながら、持続的な競争優位を築くことを目指します。独自性を見出す戦略の立案には、時間と努力が必要ですが、顧客のニーズに応え、市場での存在感を高めることができるでしょう。コンサルタントのサポートを受けながら、自社の独自性を見出す戦略の立案を進めることで、より効果的な経営戦略を実現し、競争力を強化することができます。

競合クリニックとの差別化と明確化

クリニック経営における競争力を保つためには、競合他社との差別化ポイントを明確にすることが重要です。以下はそのための具体的な方法です。

専門性

特定の医療分野での高度な専門知識やスキルを強調することで、クリニックは特定の患者群に対してアピールすることができます。

独自のサービス

独自の治療プログラムやサービスを提供することも重要な差別化の一つです。これは患者教育プログラムやホリスティックなケア、特定の慢性疾患に対する専門的なケアなどを含むことができます。

患者満足度

患者満足度の質を高めることは、他のクリニックとの差別化を図る上で非常に有効です。予約の簡易さ、待ち時間の短さ、スタッフの接遇品質、施設の快適さなどが基本となります。

テクノロジーの活用

最新のテクノロジーを使用してサービスを提供することで、クリニックは他社と差別化することができます。これはオンライン予約、スムーズな診療案内、痛みの少ない検査や治療、会計時間の短縮などをあらゆるテクノロジーを活用して解決させる方法です。

ブランドイメージ

クリニックのブランドイメージを強く、一貫性のあるものにすることは、患者の心に強い印象を残し、他のクリニックと区別するための重要な手段です。

ブランド構築

クリニックのブランド構築の為には、ブランド戦略が必要となります。医療業界では、優れた医療技術の提供をするだけでなく、クリニックのブランド戦略が、クリニック経営において重要な役割を果たしています。これは患者さんの信頼を得ると同時に、競争の激しい医療市場で、「患者さんから選んでもらう」為の戦略となります。

ブランド戦略を構築する最初のステップは、クリニックのミッションとビジョンを明確に定義することが必要不可欠です。これはクリニックが何を提供し、何を追求しているのかを具体的に示すもので、患者さんとスタッフの両方に発信して浸透させる必要があります。

次に、クリニックのユニークな価値提案(UVP)を特定することです。UVPはクリニックが他の競合とは異なる特定の要素を示し、これが患者さんにどのような利益をもたらすかを明示することが重要です。

さらに、このブランドメッセージを一貫性をもって伝達することも大切です。ウェブサイト、ソーシャルメディア、広告、クリニックの内装など、全ての接点でブランドの一貫性を保つことが求められます。

最後に、クリニックブランド戦略で成功しているクリニックでは、常に患者さんの口コミやフィードバック、満足度などの評価に対して、効果測定を行っております。例えば、下りのエスカレーターに立っている状態を想像して頂けるとわかりやすいです。効果測定による見直しや改善がない状態では、ブランド価値と品質はどんどん下に下がっていきます。患者さんのニーズと求めるサービスにはトレンドがあり、時間と共に変わるため、ブランド戦略もそれに対応して進化と実行を行う必要があります。

弊社では、クリニックを専門とした経営コンサルタントとして、これら全てのステップを綿密にサポート、提供する事が可能です。クリニックのブランドを強化し、患者さんとクリニック間の信頼を高め、経営成果を向上させるお手伝いが可能です。

ブランド力の強化と顧客満足度の向上

クリニックのブランド力を強化し、顧客満足度を向上させるためには、患者のニーズと期待に応える戦略が必要です。そのためには、まず、提供する医療サービスの独自性と質に注力し、UVPを明確にします。次に、一貫性のあるブランドメッセージを全ての接点で伝え、クリニックの信頼性を高めます。そして、高品質な患者ケアを提供し、感じの良い待合室環境やスムーズな予約システムを整備します。最後に、患者のフィードバックを定期的に収集し、それに基づいてサービスを改善します。これら全てが連携することで、ブランド力が強化され、顧客満足度が向上します。

マーケティング活動と顧客との関係構築

クリニック経営において、マーケティング活動と患者さんとの関係構築は、その成功において非常に重要な要素です。マーケティング活動は、クリニックのサービスを広く知らせ、新たな患者さんを引きつけるためのものです。ウェブサイトやソーシャルメディアの活用、地元のイベントへの参加、情報提供のためのブログ投稿などがあります。

しかし、新たな患者さんを引きつけるだけでなく、既存の患者さんとの強い関係を維持することも重要です。これは、患者さんへの誠実なケアや繰り返しの訪問を奨励し、口コミを通じた新たな患者さん獲得につながるからです。

これらの活動に加えて、患者さんとの関係構築は、患者さんのフィードバックを活用してサービスを改善し、そのニーズに応じてパーソナライズしたケアを提供することを含みます。これにより、患者さんの満足度が高まる事で、再来院につながるだけでなく、周囲へのポジティブな口コミを拡散してくれます。

※UVPとは

UVPは”Unique Value Proposition”の略で、「ユニークな価値提案」を意味します。そのクリニックが提供する独自の医療サービスや価値を具体的に示すものです。提供する医療サービスを具体的に示し、それが患者さんにどのようなベネフィットをもたらし、他のクリニックとは何が異なるのかを明確にします。

例えば、高度な皮膚治療、患者さん毎にカスタマイズされた予防医学プログラムや、特殊な治療技術の提供などがあります。

患者さんにとってのベネフィットとは、その医療サービスを受ける事で、どのように患者さんの健康や生活の質を向上させるか、という事です。これには、病気の早期発見、効果的な治療法、快適な待ち時間、親身なケアなどが含まれます。

このようなUVPを明確にし、患者さんに発信することで、クリニックは自身のブランドを強化し、患者さんの信頼を勝ち取り、経営成果を向上させることができます。

☑参考情報
 医療経営チャンネルIGYOUTV
 「似たようなような診療所が増え患者さんが分散か?選ばれる診療所へ自院の特色を発揮するには?」

株式会社ジムチョー®