令和8年度診療報酬改定で大きく変わる外来医療
- #コラム
- #
- #
目次
はじめに
令和8年度の診療報酬改定に向けた議論が本格化しています。

引用元:厚生労働省
「令和8年度診療報酬改定に向けた主な検討スケジュール(案)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001473983.pdf
外来医療は、患者数のピークアウト、地域医療の再編、ICT活用の加速など、大きな変化の渦中にあります。今回示された論点は、クリニック運営の考え方そのものをアップデートする必要があることを示唆しています。
外来医療をめぐる現在の議論から、今後クリニック運営にどのような影響が予想されるのかを整理してお伝えします。
外来医療の転換点:減る患者と増える高齢者が示す未来

外来医療の変化 ― 減る患者と増える高齢者
厚労省の見通しでは、外来患者数は2025年を境に減少へ転じる一方、65歳以上が占める割合は2050年には6割に達する見込みです。
つまり、患者数は減るが、支援が必要な高齢者は確実に増えるという構造がより明確になります。
クリニックは、外来一本足の運営では不安定になりやすく、
外来と在宅を組み合わせた複線型の体制へ移行する動きが必要になるでしょう。
かかりつけ医機能の可視化と評価強化
2025年4月に始まった「かかりつけ医機能報告制度」は、2026年1月から医療機関の報告が本格的に始まります。
これにより、
「どの医療機関がどんな機能を担うのか」が国民に可視化され、
地域における役割もより明確になります。
次期改定では、研修の受講状況や地域連携の実施など、
かかりつけ医としての“質の証明”が評価に反映される可能性が高いと考えられます。
生活習慣病管理の次の論点:受診間隔
前回改定で大きく変わった生活習慣病管理。
次期改定では、特に生活習慣病管理料Ⅰ(包括)の算定間隔(現在:月1回)が議論の対象になるとみられます。
背景には、リフィル処方の普及促進があります。
もし受診間隔が延びる方向に進めば、
診療の効率化が求められる一方で、外来収入の構造が変わる可能性があります。
外来機能分化と文書業務・ICT対応
病院外来の適正化に向け、紹介・逆紹介の強化が続いています。
この流れは今後も続き、クリニックには
診療情報提供書の作成や電子カルテ情報共有サービスへの対応が求められます。
書類業務は確実に増えますが、
医療クラークやAIツールを活用し、
“書類が早く・正確に出せるクリニック”が地域での信頼を高めていくでしょう。
オンライン診療の普及加速へ
オンライン診療は都市部で進む一方、地域差が大きいのが現状です。
次期改定では、算定要件の緩和など、普及を後押しする施策が検討されると見られます。
電子処方箋との相性もよく、
クリニックがオンライン診療を導入しやすい環境は確実に整いつつあります。
今のうちに体制を整えておくことで、大きな機会をつかむ場面が生まれるでしょう。
まとめ
令和8年度改定は、外来医療の再設計が大きなテーマになります。
患者数は減る一方で高齢者は増え、クリニックには外来・在宅・ICT・地域連携を組み合わせた柔軟な運営が求められます。
かかりつけ医機能の可視化、生活習慣病管理の見直し、オンライン診療の普及促進など、経営にも直結する変化が進む見込みです。
これらは単なる点数改定ではなく、クリニックの未来像をどう描くかという経営戦略に関わるテーマです。
変化を先取りし、準備を進めることが、これからの地域医療を支える確かな力になるでしょう。